時代考証 [日常]
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば
藤原道長が絶頂期に詠んだ歌だが、ものすごい自信に満ちた思いが溢れ出ている。
このところNHK大河ドラマの 光る君 が待ち遠しい。
当初なんともなしに見ていたのだが、見るたびに驚かされている。
画面に出てくる小道具や美術セット、庭のつくり、着物、、などなど半端ではない。
すべてが忠実にかつよく調べられて作られていることに気が付きだした。
何気なく置かれている屏風の表の絵はもちろんのこと、その裏側のデザインなど画面では一瞬一部分しか映らないのに、しっかり検証されてカメラ映らないところも再現されている(メイキングでわかった)。
十二単など宮中での各種衣装なども感動ものだ。
このようなことを時代考証というが、これがしっかりしているからこそ安心して鑑賞できるし、ドラマの完成度が高まる。
時代考証といえば、TBS系列でオンエアされている <海に眠るダイヤモンド> のセットが素晴らしい。
明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した長崎県の端島 通称:軍艦島が舞台なのだが、現在は、廃坑後、上陸禁止の島となっている。
島の中は当時のまま残っているのだが長い年月でゴーストタウンとなっており、風雨で劣化が進んでおりその保存が課題となっている。
そのような状況下で現地でのロケは不可能なのでVFXなどの技術を巧に使って制作をしているはず。
完成されたドラマを拝見する限り、70年前の端島での生活や炭鉱坑内の様子などがみずみずしく再現されていることにおどろいた。
実に素晴らしい、今だからできる完成度だと思う。
昭和38年(1963年)7月、私は福岡の板付空港(現在の福岡空港)から父と一緒にYS-11に搭乗して鹿児島 鴨池空港へ向かったことがある。
筑後平野を抜け有明海上空に差しかかった時、海上にポツンと浮かぶ船のような形をした人工島があった。
父からあれは軍艦のような形をしているので 軍艦島 と言って、あそこから海の下へ炭鉱があるんだという話を聞いたことを鮮明に覚えている。
島の中はびっしりと住宅や鉄筋コンクリートのアパート(当時では日本初だったと思う)が立ち並び、未来の世界をのぞいている気がした。
ドラマで見るアパート群はまさしく当時の様子がきっちり時代考証されていた。
最近は、時代は様々だが、見えないところや何気ないシーンにもしっかり考えられた形跡を感じると嬉しくなってくる。
先日、米国でエミー賞 各賞を受賞した 「SHOGUN 将軍」 もそうだった。
脚本もさることながら、映像制作での時代考証も作品の品質を左右する非常に重要なファクターになるはずだ。
追伸:冒頭の歌の現代語訳が欲しいというリクエストがありましたので下記に書いておきます。
「この世で自分の思うようにならないものはない。満月に欠けるもののないように、すべてが満足にそろっている」
藤原道長が絶頂期に詠んだ歌だが、ものすごい自信に満ちた思いが溢れ出ている。
このところNHK大河ドラマの 光る君 が待ち遠しい。
当初なんともなしに見ていたのだが、見るたびに驚かされている。
画面に出てくる小道具や美術セット、庭のつくり、着物、、などなど半端ではない。
すべてが忠実にかつよく調べられて作られていることに気が付きだした。
何気なく置かれている屏風の表の絵はもちろんのこと、その裏側のデザインなど画面では一瞬一部分しか映らないのに、しっかり検証されてカメラ映らないところも再現されている(メイキングでわかった)。
十二単など宮中での各種衣装なども感動ものだ。
このようなことを時代考証というが、これがしっかりしているからこそ安心して鑑賞できるし、ドラマの完成度が高まる。
時代考証といえば、TBS系列でオンエアされている <海に眠るダイヤモンド> のセットが素晴らしい。
明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した長崎県の端島 通称:軍艦島が舞台なのだが、現在は、廃坑後、上陸禁止の島となっている。
島の中は当時のまま残っているのだが長い年月でゴーストタウンとなっており、風雨で劣化が進んでおりその保存が課題となっている。
そのような状況下で現地でのロケは不可能なのでVFXなどの技術を巧に使って制作をしているはず。
完成されたドラマを拝見する限り、70年前の端島での生活や炭鉱坑内の様子などがみずみずしく再現されていることにおどろいた。
実に素晴らしい、今だからできる完成度だと思う。
昭和38年(1963年)7月、私は福岡の板付空港(現在の福岡空港)から父と一緒にYS-11に搭乗して鹿児島 鴨池空港へ向かったことがある。
筑後平野を抜け有明海上空に差しかかった時、海上にポツンと浮かぶ船のような形をした人工島があった。
父からあれは軍艦のような形をしているので 軍艦島 と言って、あそこから海の下へ炭鉱があるんだという話を聞いたことを鮮明に覚えている。
島の中はびっしりと住宅や鉄筋コンクリートのアパート(当時では日本初だったと思う)が立ち並び、未来の世界をのぞいている気がした。
ドラマで見るアパート群はまさしく当時の様子がきっちり時代考証されていた。
最近は、時代は様々だが、見えないところや何気ないシーンにもしっかり考えられた形跡を感じると嬉しくなってくる。
先日、米国でエミー賞 各賞を受賞した 「SHOGUN 将軍」 もそうだった。
脚本もさることながら、映像制作での時代考証も作品の品質を左右する非常に重要なファクターになるはずだ。
追伸:冒頭の歌の現代語訳が欲しいというリクエストがありましたので下記に書いておきます。
「この世で自分の思うようにならないものはない。満月に欠けるもののないように、すべてが満足にそろっている」
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