今朝、J-WAVEを聞いていると、8日にアカデミー賞の授賞式があることがわかった。

このイベントがくるたびに、黒澤明監督を思い出す。

もう20年くらい前になるだろうか、私がハイビジョンを映画製作に導入するために走り回っていた頃、黒澤さんとお仕事する事になり、いろいろご教授を受けた。

黒澤さん:『きみ、知ってるかい?アカデミーのフルネームを、、』


私: 、、、、う〜〜ん、恥ずかしながらわからなかった。
黒澤さん:『映画芸術科学アカデミーって言うんだよ。』
黒澤さん:『つまり映画は芸術のみではなく科学や技術の進歩があって実現するんだよ』
と言われ、科学技術あっての映画であるという、今まで思いもしなかった視点でのお話をされたのが非常に印象的で、今もそのときの様子が心に残っている。

黒澤さんは世界でいち早くハイビジョン技術(撮影、合成、編集など)を取り入れ、実践された。
それを見ていたハリウッドの監督たちも次々に導入し、CGの世界にまでも波及した。
最近のアバターなどはその典型であろう。

その後、ヴィムベンダース、スピルバーグ、コッポラ、、、などなどつぎつぎと見学者が増え、瞬く間に普及していった。
最近では、更に解像度が高い3K/4Kなどが使われ出し、かつてのフィルムの時代とは大きく変わった撮影現場となった。

こういう映画現場の変化をまざまざと見ていると、あのときの黒澤さんの言葉がひしひしと蘇ってくる。
これからも、益々、技術も進化し映画も変わっていくだろう。

人類という生き物は、すごいなあ、とつくづく思ってしまう。