このところ、毎日のように高齢者が歩道に突っ込んだり、店に飛び込んだり、公園に飛び込んだりする事故が続いている。
マスコミの取り扱いが多いのであたかも高齢者の交通事故が多いように感じさせられるが、交通事故全体から見るとまだわずかな比率に過ぎない。
しかし、少しでもなくす算段を考えないと、事故は続くだろう。
ニュース映像で見る限り、高齢者が事故を起こす車種がほとんど同じ車種なのが気に掛かる。
正確な証拠もない状況なので断定することはしないが、ひょっとしたらその車種に高齢者が事故を起こしやすいなんらかの原因があるのではないかということだ。
あの車は、新しいコンセプトで設計されているため、シフトレバーの構造が基本から違っている。
シフトレバーは
R リア
N ニュートラル
D ドライブ
B (エンジン)ブレーキ
となっており、今までの車しか乗ってない方は、このBを覚えなければならない。
ハイブリッドカー独特の考え方だろう。
通常は走っている時、足でブレーキを軽く踏んでブレーキパッドで車を減速させるが、この車は減速させる時にブレーキパッドと発電機を使って発電させ、バッテリーに充電させながら減速させるようになっている。
今まで熱として発散されていたエネルギーを電気として取り戻す逆転の発想だ。
それでは、バッテリーが満タンになった時どうなるかというと、長い下り坂のような時、シフトレバーでこのBに切り替えるとガソリンエンジンが起動し、エンジンブレーキが機能する。
そうすることによってブレーキパッドの発熱を抑えながらスピードも低減していくというもの。
ややこしいが非常にエコな考え方だ。
そしてこのシフトレバーなのだが、今までの車だとDに入れるとレバーはDの位置に、Rに入れるとRの位置に入って固定されたままになる。
それが当たり前だと思うが、この車は違う。
シフトレバーをRに入れても、Dに入れても レバーは ぽよ〜んとすぐにNの定位置に戻るのである。
したがって、目でレバーを見ただけでは、今どのポジションにあるのかがわからない。
じゃぁどうするの?
となるが、レバーは単なるスイッチで、ギヤのポジションはフロントパネルの中のディスプレーで確認するしかない。
ディスプレーの表示が R N D B と表示されるので、それを見て判断するのである。
なのでシフトレバーは常にNの位置。
これが例の車の操作系で大きく異なる部分なのだが、機能を理解して、とっさの時に体で反応できる若い方々なら操作できると思うのだが、果たして、認知能力や記憶能力が低下してきている高齢者は、とっさの時にどの程度体で反応できるのかが疑問なのである。
あっと思った時に、今車のギアはどこに入っているのか?
バックするRなのか、進むDなのか、、シフトレバーを見てもわからないのである。
はたまた、Bはとっさの時バックか??と思ってしまわないか?
Bに入れてアクセルを踏むと、この車は前に進むだろう。
駐車状態から店に飛び込んだり、バックで暴走したり、、、ブレーキと勘違いしてBに入れてアクセルを踏むと前方へ暴走するだろう。
なんだか、この新しい操作コンセプトと高齢者事故に相関性があるように思えてならない。
現在は一切マスコミもこの辺りには触れないが、メーカー側での再検討も当然行われているだろうが、少なくとも高齢者は、車種が限定された免許にし、この手の新コンセプトカーに乗れないような免許制度や法改正をすればかなり多くの事故がなくなるような気がする。