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またひとつ 消えていく、、 [日常]

IMG_1799.jpgここは、私のオフィスのすぐそばにある屋敷跡。
昨日、解体され庭の木々も伐採された。
左奥に煉瓦塀が見えるが(その先は福岡城のお堀)、これは先日このブログで紹介した、私の出身高校発祥の地跡でもある。
その時は塀の中に鬱蒼と茂った木々が写っているが、この日は切られた木々がいい香りを醸し出していた。
この香りも束の間だろう。そこにいる人しか体験できない、贅沢なライブのようでもある。

学校が西新に移転した後、ここには 久保猪之吉 という方の屋敷が建った。




大正時代初期(1920年頃)、九州帝国大学医学部 の耳鼻咽喉科の医学博士として世界に名を轟かせた名医だったようだ。
奥さんの実家が四国松山で、夏目漱石が下宿していた家だったため、この福岡の久保邸には、その後の正岡子規をはじめとする錚々たる文人たちが遊びにくるようなサロンだった。
奥さんは高浜虚子に師事して歌人として活躍していたこともあり、柳原白蓮もここに入り浸りだったそうだ。
その後、久保氏の定年退官で東京へ移住した後、医局の後輩であった曽田氏(柏崎出身)が買い取り今日まで所有されていたようだ。
門の郵便受けには曽田という名前が残されたままで、ここまでの時の流れが凝縮されたような重みを感じさせられた。

先日ふと気になった鬱蒼とした屋敷だったが、その後1ヶ月くらいでこのような展開になったことと、その歴史を知るに当たって、我ながら驚かされる。

これも何かのご縁、
全てが深層で繋がっていることを痛感すると同時に、今しか体験できない現場に立ち会うことができていることに感謝!


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DNN S56卒

時々拝見しています。
2日前会食の席で、「曽田先生の家はもともとドージャーという人が持っていた所で云々」と言う話を、耳鼻科の先生から聞きました。偶然の話題にコメントです。
by DNN S56卒 (2018-02-23 22:04) 

kan

DNNさん、こんにちは

ほほう、奇遇ですね。
これも何かのご縁ですかね。
ご縁は大切にしたいと思います。
by kan (2018-02-24 14:57) 

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