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ひょう の落下速度 [日常]

先週関東各地で雹(ひょう)が降った。
とたん屋根や自動車の屋根やガラスに大きな被害を与えた。
翌日のニュースの天気解説で『ひょうの大きさが大きくなるほど落下速度が早くなる』という説明をしていた。
当日実際に降った ひょう の大きさは、通常よりかなり大きい直径5センチほど。
直径別に落下速度を説明していたが、5センチだと150km/秒くらいになりプロ野球のピッチャーが投げる豪速球に匹敵するとのこと。

ここで学校の授業を真面目に受けた方は疑問に思ったことと思うが、この説明は間違っている。


自然落下の速度Vは
V=gt gは重力加速度 9.8m/sec²  tは経過時間
この自然の摂理の公式から見ても 大きさ(重さ)は速度に関係ない。

例えば、鳥の羽毛 と 大きなボーリングの球 を同時に落とせば同時に落ちる。
これが自然の法則だ。
(正しこれは真空中の話で、空気があるとその抵抗があるのでそれぞれの形状によって差が発生する。)

今回は、ひょう だが、その形状から見て大小によって大きな速度差は出ないような気がする。
地上に落ちるときに差が出るのは 速度ではなく 力(F)だ。
落ちるときの力は 重さ(質量)によって差が発生する。

F=mα Fは力 mは質量 αは重力の加速度

したがって、今回の気象予報士は 落下速度 ではなく、落ちたときの 衝撃力 の違いについて説明すべきだった。

今回の解説は全国の中高生も見ているはずなので間違った概念を与えた可能性大である。

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LargeKzOh

 雹の落下問題は、質点力学では無く、有限サイズ形状の大気中落下問題として扱い、従って球体の場合にはストークスの法則で取り扱われるのが常道の様です。
 雹の落下は
  ①下方に働く力:即ち重力
  ②上方に働く力:空気抵抗力+浮力
を考慮して
  ①-②
を考えて解く事になるので、気象予報士の説明になったのだと想います。
 予報士資格試験にはこの種の流体力学問題があると聴いた事があります。
by LargeKzOh (2022-06-13 16:03) 

kan

なるほど
今回の雹の場合、たとえば直径3cmと5cmで②がどの程度違うのか?
一般的には力(ニュートン)よりも速度(Km/sec)単位で表現したほうが一般的にはわかりやすいかもしれませんね。
by kan (2022-06-14 06:57) 

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