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スエズ運河 座礁事故 [日常]

最初このニュースを聞いた時は不思議でならなかった。
なぜ運河内で座礁するのだろうか?
船を有料で通すために作られた人工的な水路のはずなのだが、いわば、車が有料道路で道路の穴に落ちて動けなくなったようなもの。

この手の事故が起きると、すぐ考えるのが損害賠償のこと。
米国フォーブス誌によると 1兆522億円/日の海上輸送をブロックしている状態だそうだ。

結果的には、海底の土砂を取り去り、大潮の満潮に合わせて大型の複数のタグボートで牽引し、今朝正常な位置に復帰したとのこと。
大きな事故にならずによかった。

発生したであろう損害としては
1)浚渫船(しゅんせつせん:海底の土砂を取る船)やタグボートの牽引費用
2)積荷の運送遅延による荷主の損害
3)通行を待たされた300隻以上の第三者である船舶の損害
4)スエズ運河自体の設備損傷損害

などが普通考えられる、、。

1)は船主(日本の会社)に責任が発生するので、船主が負担するが、船舶保険が適用されるだろう。

2)だが、通常、貨物の損害に関するカーゴクレームは、操船上の過失があった場合も国際条約「ヘーグ・ヴィスビー・ルール」に基づき、船主は免責される。

3)あと、これは、船主に過失があるかどうかなのだが、過失があると、責任が発生する。
ポイントは、今回の事故が事前に予見できたかどうかで判断が分かれる。
今回の原因は強い砂嵐が吹き出して船が流されたらしい。
これは台風などと違って船員側での事前予測はかなり困難であったのではなかろうか?
また、スエズ運河を通行するときは、運河側の水先案内人が同乗して誘導するそうなので、船主側の責任は免責されるのではなかろうか?

4)だが、これはスエズ運河の利用規定で、水先案内人に過失があっても船長が責任を負う(非常に都合の良い規定だなぁ)となっているようで、これは責任を免れないだろう。
しかし、これは船舶保険の内容次第だが、多分保険で処理されるのではないだろうか?

このように考えると、結局、事故当事者からの金銭的出費はないのではなかろうか?

たまたま、こんな事故が発生したのでちょいと調べてみることにしたのだが、基本は何事も転ばぬ先の杖、保険に加入しておくことが肝のような気がする。

しかし、有料の運河なのだから、そこを安全に航行できるように、砂嵐が頻発するのなら尚更のこと、海底の土砂も定期的にさらってきれいにしておくなどのメンテナンスをするべきだろう。
ちなみに船舶一回の通行料金は、4,000万円。

もはや坊主丸儲けの時代ではないだろう、、。

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