SSブログ

湖月のカレー [食]

IMG_0492.jpg時は昭和30年代、私が幼稚園に入るか入らないかの頃、博多 中洲の那珂川で花火大会が行われていた。
花火を見終わり、父に連れられて 湖月のカレー を食べて帰るのが定番コースだった。
帰りには商店街の電気屋さんでカラーテレビの試験放送を見たりして、自宅の白黒テレビ画像に色がつく日を夢見ていたことも思い出される。


そのカレー専門店 湖月 だが当時では福岡では初めてのカレー専門店だったような気がする。
かつて陸軍将校だった父は戦前から洋食通だったようで、私は物心ついた時から外国の料理の蘊蓄や食べ方に関しての話をよく聞かされていた。
カレーにも各種あるが、父は、この中洲の湖月のカレーは旨いと言っていた。
(父は、自宅ではうちのカレーはまずいと言って食べなかった)

湖月が中洲にカレー専門店を開業したのが昭和28年(1953年)。
店主の高齢化により残念ながら約40年続けた店を1992年に閉店した。
しかし、熱心なファンたちの強い要望により、当時の湖月スタッフだった 河原さん(現在の店主)が当時のレシピを再現した店を10年後(2002年)にオープンしたらしい。

場所は中洲ではないが博多駅の隣の吉塚駅近くにある、、という情報を最近無線仲間から知り、いてもたってもいられなくなり吉塚の湖月カレーを訪問した。

私は前述の環境下で育ったせいなのか、この湖月のカレーの味はずっと覚えている。
私が、中洲の店に通っていたことを話すと、店主の河原さんは、今風に少々味をアレンジしていますと教えてくれたが、確かに少々変わっていた。
それでもベースの味はそのままで、60年以上経っているが当時の感触が蘇ってきた。

今回の経験から、美味しい食べ物はいつまでもずっと同じものを食べられると思っていたが、そうでもなく、有限のものであるということを感じさせられた。

これからは特に、美味しいものはじっくり味わい、その刹那の幸せに感謝しながら食することにする。



タグ:美味は有限
nice!(4)  コメント(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント