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獺祭 (だっさい) [日常]

もう何年前になるだろうか?
近所(自由が丘)の酒屋さんで日本酒の話をしていて、この珍しい読み方の日本酒を入手し、それ以来、現在も続いている。
このところ人気があるのか、飲み屋でもメニューにはあるのだが、オーダーしてみると、入荷待ちなんです、、と言われたり、この行きつけの酒屋さんでも、 出荷制限がかかっているのでお一人一本でお願いします と言われる今日この頃。

因みに、この 獺祭 という日本酒は、
酔うため 売るための酒でなく 味わう酒を求めて というコンセプトで酒造りを続けている山口県岩国市の旭酒造さんのブランド


このネーミングがどういう意味なのか、、何かの祭りなのか、、意味もわからず、なんとなく明るく楽しそうなイメージのみを感じて過ごしていたのだが、やっと今朝の日経新聞で判明した。

獺は 「かわうそ」と読み、 獺祭は、かわうそまつり という意味らしい。

カワウソは、仕留めた獲物(魚)を食べる前にきれいに並べる習性があるそうで、人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところからこのように表現するとのこと。

また、
晩唐の詩人李商隠が、文章を作るのに多数の書物を座の周囲に置いて参照し、自ら「獺祭魚」と号したところから詩文を作るとき、多くの参考書を周囲に広げておくこともそのようにいうらしい。

正岡子規が 獺祭書屋主人(だっさいしょおくしゅじん) と自ら号していたことから、正岡子規の忌日9月19日を 「獺祭忌」 というとのこと。

調べてみるとなかなか蘊蓄のつまった言葉であることがわかり、今朝は、ものすごく得をしたような気分になった。

その肝心の獺(カワウソ) だが、環境省は28日、絶滅の恐れのある国内の野生生物を、絶滅の危険度ごとに分類したレッドリストの改訂版をまとめ、哺乳類のニホンカワウソを「絶滅」に指定した。

そういえば、あのイタチのようなカワウソの話も姿も見聞きしなくなって久しい。
一昨日までは絶滅危惧種に指定されていたそうだが、この30年間人間の目に触れていないため、絶滅と認定したらしい。

トキもそうであったが、やはり自然環境の変化が野生動物が生きていきにくくなったのだろう。
本当に残念な話だと思う。

一方、熊本県の球磨川の上流にある荒瀬ダムの来年の撤去が決まった。
1955年竣工だから今年で57歳。
ダムの撤去は日本で初めての出来事。
高度成長期にかけて、いけいけどんどんで公共事業が推進されたが、そのころ撤去費用のことなど考えて建設されたものはない。
荒瀬ダムの水を放流しだして、アユやうなぎ、河口のカニなどが例年の3倍くらいに増えたそうで、完全に撤去すると清流に戻って更に生物が増えることが推測されるため、環境省の特別予算の補助が付き完全撤去が実現した。

初めて、日本の山や川を自然の形に戻す動きになったが、今後も継続していただきたい。
もう少し早ければ、本当の 「獺祭」 が見られたかもしれないと思うと残念でならない。


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