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新井満 さん [日常]

先週末、12月3日 新井満さん逝去の訃報を知った。

随分ご無沙汰していて、時々どうされているか思い出すことがあったが、北海道 函館の地で天に昇られた。

1980年代、新井さんが築地の電通本社で広告マンをされていた頃、『環境ビデオ』という呼称でビデオソフトを世の中に送り出し始めた。
その頃私も映像制作の仕事をしていたため、一体何だ?と興味津々で築地へ話を聞きに伺ったことがある。
当時私は、アニメ(ガンダム他)や映画のビデオソフトの制作を行なっていたが、この聞き慣れないジャンルは業界でも結構話題になっていた。




ビデオも一般家庭にそろそろ普及するかという時代背景で、ビデオソフトの普及がビデオ機器の普及につながるということで各社一斉に盛り上がっていた頃でもあった。
私は、自然の素晴らしさをベースした作品をいくつかオリジナルで企画していた矢先でもあり、新井さんの動きはまさしくタイムリーだった。

説明を聞いて作品を見せてもらうと、自然の中の滝や森林などをフィックスカメラで延々と撮り続けたものだった。
これを、リビングルームや自室の大画面のモニターで流しっぱなしにしておくとのこと。
「壁にかけた絵画のようなものに近い感覚ですね」と私が感想を述べると、
「そうです 『額縁ビデオ』みたいなものですよ」とのレスポンス。
「演出せず、自然のままの映像を流しっぱなしにすることで、その部屋の環境を作るのです。」、、と。
それで 環境ビデオ か、、と納得するようなしないような、微妙な感覚を持った覚えがある。

その後、電通を辞められ、小説をかけば芥川賞、作詞、作曲をしてミリオンセラーでレコード大賞作曲賞、長野オリンピックの開会式イメージ監督を担当、東日本大震災後 一本だけ残った松の木などの写真を撮り詩をつけた写真詩集で復興応援金を寄付するチャリティー出版をしたりと全て素晴らしい成果を収めている。
一人の人間でこんなに多彩なことができるんだなぁ、、と感心させられ続きだった。
不覚にも例の、『千の風になって』の訳詞も彼の作品だったことは今回改めて知った。

Wikipediaによると、彼の肩書は
著作家、作詞作曲家、歌手、写真家、環境映像プロデューサー、絵本画家
となっていた。
こんな人、少なくとも私の近くには、後にも先にもいなかった。
天は二物を与えず と言われるが、五つも六つも与えているではないか、、。

May he rest in peace.

合掌




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